2011年4月8日金曜日

アメリカの国立公園に入れなくなるかも?の危機

2011年4月8日、アメリカは2011度予算(政府の会計期間は10月~翌年9月らしい)の策定期限を迎えました。
当日になっても議会がもめていて合意に達しなかったため、翌日から政府系の機関がシャットダウンされる可能性がある、と各種メディアが報じていましたが、ご存知でしたか?
与党民主党の予算案に対して共和党が予算削減案を提示し、その中に長年議論されてきた政治問題を紛れ込ませていて合意に至れなかったらしい。CNNによると、その共和党が予算削減案に紛れ込ませた問題とは、以下の2点。
(1)EPA(アメリカ環境保護庁)にCO2規制をさせないようにする
(2)Family planning関係(中絶手術含む)の費用補助をしない

極端に簡単に言うと、
共和党 「民主党の予算が大きすぎるから減らす案を考えてやったんじゃないか」
民主党 「削減案のなかに環境・中絶などの政治問題をちゃっかり混ぜ込んでるから合意できないじゃないか」
ということかでしょうか?

下院議長は390億ドルの予算削減を目標にしているらしいのですが、民主党案と15億円しか変わらないため、政府機関が閉鎖になる事態と比べてどっちの影響が大きいかは明らか(早く合意しろ)、とメディアは議会の対応に大変批判的。

予算が決まらない場合、政府系の機関が閉まる(+政府機関職員の給与もストップ)ため以下の影響が出るとのことでした。
・政府系機関からのローン貸付業務が停止
・パスポート申請など手続きが止まる
・アメリカ大使館業務が停止する(ビザなどの申請)
・国立公園など政府が運営する施設が閉鎖
・ワシントンDCは行政が政府機関による運営のためごみ収集も止まる
などなど

ちなみにワシントンDCのゴミ収集がストップする件について、Facebook上では「政府系機関が閉鎖の事態になったら、John Boehner(下院議長・共和党)の庭にゴミを巻きに行こう」という企画が持ち上がっていました。
大統領と議会は政府系機関が停止しても給与が支払われると憲法で規定されているらしく、議会のせいで混乱を引き起こしているのに自分たちだけ給与をもらうのは不公平だという声が。大統領と議会の給与は予算の別枠で固定的に組み込まれるようになっているようです。

結局期限当日、後1時間ちょっとで政府機関閉鎖か、という時間に予算が成立し、閉鎖しなくてすみました。それにしても1日中ニュースはこの話ばかりでメディアは大騒ぎだったなぁ。

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