2012年10月9日火曜日

雇用統計の”良すぎる”数値が怪しいって??

先日「アメリカ大統領選 1回目のディベートはロムニー優勢?」で書いたように、やっぱり1回目のディベートのあと、テレビ各社のニュースではロムニー氏は想定以上にうまくやり、オバマ大統領は想定以上に駄目だったという論調ですね。

ところで10月8日のThe Daily Showでは、このディベートでロムニー氏の「CBSへの助成金は続けられないよ、(セサミストリートの)ビッグバードや君(司会者)のことは好きだけど、中国からお金を借りてまで出費できないよ」という発言について取り上げていましたが、セサミストリートって8百万ドル(約6億3千万円)ももらってるんですね。

本題ですが、大統領が大失敗したディベートの後発表された9月の雇用統計で、失業率7.8%という数値が出ました。リーマンショックでガクッと失業率が上がった後、これまでも徐々にトレンドとしては下がっていて、今回は前月の8.1%から0.3%下がっています。

※網掛け部分は不況の時期
グラフはBLSのホームページより

そして出てきたのがジャック・ウェルチ氏のTwitterの発言。
大統領選大詰めのこの時期に現職大統領に有利に働く失業率の数値が出たことに対して、
"Unbelievable jobs numbers..these Chicago guys will do anything..can't debate so change numbers"
(信じられない雇用の数値だ。シカゴの連中はなんでもするんだな。ディベートができないからって数字を変えるんだ。)
だそうです。

彼は共和党支持者ですからね。
しかもテレビのニュースでインタビューされた時は、「何の証拠もないけど」「正しくない感じがする」と、発言の根拠はないことを認めていますが、なぜか数値が改ざんされていると信じている模様。
ビジネス業界で発言力のある大御所が根拠もなく「雇用統計は改ざんされている」なんて言うと信じちゃう人がいるんだから気をつけて欲しいもんです。

対してBLS(Bureau of Labor Statistics)は、当然「政治的な影響は全く受けていない」と反論。(”On jobs numbers, BLS vows there's no conspiracy” CBS)
毎月5万件の家庭に調査を行い、情報を厳重に管理した上で統計を出しているそうです。雇用統計は株価や為替に大きな影響があるので、当然発表する数字にも気を使うでしょう。統計の母数は少ないけれど、失業率のトレンドを見たら別に改ざんされているといえるような数字じゃないと思うけど。

政治的には、こういう数字って恣意的に使われますね。
共和党の人は、「2007年に比べて今は失業率が倍近い」と言えるし、民主党の人だったら「経済危機後は継続的に改善している」と言えます。

次回のPresidential Debateは11日9時PM(東部時間)にケンタッキー州Danvilleで行われます。
さてどうなるかなー。

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