USGS Magnitude |
昨日(2011年8月22日(月))23:45(MDT)にコロラド州でM5.3の地震があったとニュースになっていました。1882年にM6.6の地震がロッキー山脈国立公園付近で発生した以来の大きな地震だったそうです。
(左図:真ん中より少し左の大きな四角)
そして今日はもっと地震が稀な場所で地震が。
(左図:東海岸の大きな四角)
11:51(MDT)にバージニア州リッチモンドの北西41マイルの場所でM5.9の地震が発生しました。東海岸一体が揺れたようで、北はカナダ・ニューヨーク、南はノースカロライナ、西はシカゴまでゆれを感じたそうです。
ちなみにアメリカでは震度という概念が一般的でなく、ニュースで報道されるのはマグニチュードのみです。
(震度については記事下部を参照)
地震の影響
震源から近かったワシントンでは政府の建物から人が避難し、JFK空港は一時閉鎖になりました。特に大きな被害はなかったようですが、ヴァージニア州の原発が自動停止したそうです(CNN: Virginia Nuclear Plant Shut Down by Quake)。メインのバックアップ電源が作動しなかったというのが問題視されており、現在点検中だそうです。東海岸には原発が集中している(関連記事)ので怖いですね。
夕方のニュースもこれがトップニュース。映像ではパニックになった人たちがビルの外でうろうろしていました。地震がほとんどない地域なので揺れに慣れていない人も多いし、たぶん避難訓練もないし、もっと大きな地震があったら被害が大きくなりそうです。自然災害に「絶対こない」はありえないんだなぁ。
震度の考え方
日本人的にはマグニチュードより気になる震度。アメリカのニュースでは震度が報道されないのですが、震度という考え方自体はあってメルカリ震度というのが使われているようです。ただし一般的にはあまり認知されていません。この指標は日本の気象庁のように震度計で測定しているものではなく、人の揺れの感じ方や建物の破壊度で表す指標なので、「揺れの強さ」というよりは「揺れた結果どんな状況だったか」を知ることができます。
USGS(United States Geological Survey’s アメリカ地質調査所)のサイトに出ている震度に関する地図には2種類あります。
1つはInstrumental Intensity Map。こちらは計測器の値と推測値による震度マップのようです。計測場所は△で示されるのですが、この地域は地震が少ないせいか地図上の△が少ないのでほぼ推測により震度を表示していると思われます。
もう1つの地図はCommunity Internet Intensity Map。こちらの地図によると最大でメルカリ震度VII(7)「立っていることが難しい。軽い家具が転倒し、造りの弱い建造物が一部損壊する。自動車を運転している人の多くが揺れを感じる。」とされています。
Instrumental Intensity "Shake Map" |
Community Internet Intensity Map |
Commynity Internet Intensity MapはUSGSがインターネットでユーザの住所と揺れた時の状況をアンケートで調査した結果に基づいて作成しています。なので回答が追加されるとマップが変化していきます。
震度を測るための質問内容ですが、
・発生時にいた場所
・体感震度(Not FeltからViolentまで6段階指標)
・立ったり歩いたりできたか
・ぶら下がっているものや棚の物の動き方
・建物の破壊状況
など18項目ありました。
注意したいのは、質問の回答分布(リンク先Graphsタブ)を見る限り、現時点では20km圏内の回答が4件しかないので強さの感じ方や状況は個人の回答に大きく依存しています。
しかもこの震度指標だと建物の破壊度合いが含まれるので、耐震構造になっていない建物が多ければ震度が上がりますし、地震の少ない地域の人が感じる揺れの大きさについての認識もそうでない地域の人とは差がありそうですね。日本のように震度計のほうが客観的な数値化ができると思うのですが、国土が広いアメリカは機械の設置も情報収集もお金がかかりそうですね。
図の出展:USGS
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