2012年2月20日月曜日

原発事故振り返り!

アメリカ生活とは関係ありませんが・・・。
もうすぐ東日本大震災と福島の原発事故から1年になるので、状況と考えをまとめてみました。

未だ続く高レベルの汚染
福島第一原子力発電所は、政府が「冷温停止状態」と宣言したものの、まだ付近は大量の放射線が出ていて、そんな中瓦礫の撤去や使用済核燃料取り出しのための作業など続き、注水のための配管が破裂したりと手がかかりっきりの状況のようです。3号機の現場では毎時3ミリシーベルトという過酷な状態。事故前の国民の年間被曝量は1ミリですから、現場ではたった20分でそれに達してしまう線量ということです。

福島第1原発、2度目の公開 崩落進む建屋/高線量で過酷な現場(産経新聞)
報道陣を乗せたバスが、前回毎時1ミリシーベルトを観測した3号機付近にさしかかると、線量計は前回を上回る1・5ミリシーベルトを記録した。この付近で 作業を続ける鹿島建設の現場監督、日比康生(やすき)さん(48)は「線量が高く苦労している。現場は3ミリシーベルト。とても長時間はいれない」と打ち 明けた。
周辺の自治体も放射線が高い場所は帰宅を許されず、また普通の場所より放射線が高くても帰宅を許されてしまった地域の人たちは戻るかどうか意見が分かれるので自治体としてまとまった復興が難しそうです。戻っても、周辺に仕事がないし働ける状態じゃないので戻れないという問題があります。

除染しきれない国土
 原発事故により福島県だけでなく広範囲が放射能に汚染されました。
12月16日文部科学省発表のモニタリングの別紙1,2を見るとその酷さがわかります。危険は目に見えないので普通に生活してしまいがちですが・・・。
特に女性と子供は注意していただきたい。女性は不妊のリスクがあるし(卵子は一度作られたらそこに存在し続けるから被曝する)、子供は放射線に対して感受性が高いといわれているし、子供は余命が長いので長期間影響を受けるので。
文部科学省による 第4次航空機モニタリングの測定結果について(平成23年12月16日)(PDF:8778KB)
  • 別紙1で0.1μSv/H以上の場所は、24時間365日屋外にいた場合、年間被曝量が1ミリシーベルトを超えます。
    1000(μシーベルト/年)÷(365(日)×24(時間))=0.11(μシーベルト/時間)
  • 別紙2で300KBq/㎡以上の場所は、放射線管理区域並(400KBq/㎡)の放射線が出ている場所です。
参考:文部科学省 放射線モニタリング情報

汚染物質は雨風によって移動し、様々な場所にホットスポットを作り出します。また、雨で河川に流れると河川が汚染され、河口付近にたまり、海にでて海流によって様々な場所に海中のホットスポットを作りだし、海草や魚介類も汚染します。
参考ブログ:NHKスペシャル 知られざる放射能汚染~海からの緊急報告~を見て by 3.11東日本大震災後の日本

汚染が広範囲すぎて、森林なども考えると現実的には元の状態に”除染”することはできないでしょう。ちなみに”除染”というと汚染物質をなくすことができるという雰囲気がありますが、実際は放射能を別の場所に移すだけなので、取り除いたものを運んでどこかで埋め立てないといけないので途方もない労力と調整が必要です。

広がる食物汚染
事故直後の政府・東京電力からの情報提供や指示が不十分だったために、汚染された食品が多く流通してしまいました。その後もくり返し報道されるように、食品の汚染は続いています。
初期は特に「風評被害はよくない」「被災地を応援しよう」という言葉で汚染されたものが販売されていたように見受けられます。
完全に放射能なしのものを手に入れるのが困難だとしても、どれだけ含まれているのかは消費者としては知りたい。分からないなら買わない、という心理は当然のこと。売りたいから放射能を計らない、表示しない、というのは無用に消費者を用心させてしまう悪い判断と言わざるを得ません。

見えない被害
低レベル放射能の人体への影響については、専門家でも意見が分かれているようです。というか、たぶん例がチェルノブイリ位しかないのでよくわからない、ということだと私は認識しています。
たしかに年間1ミリシーベルトを超えて被曝しても、すぐに鼻血を噴き出して死んだり癌になったりしないでしょう。でも、それがどのレベルならいい、というのを提示するのは難しそうです。なぜなら、結局確率の問題だから。数%癌や甲状腺異常や不妊になる確率が上がるといわれた場合、その数%に該当した本人にとっては深刻な問題だし、そうでなかった人には全く何の問題もないわけです。その数%に該当したくない人もいれば、そのくらいなら大丈夫か、と考える人もいます。
あるアメリカの原発科学者は、スリーマイル島事故の例から考えて、福島の原発事故により日本で20年間に100万人の癌患者がでるのではと危惧しています(2月20日【内容起こし】アーニー・ガンダーセン氏:『福島第一原発、真相と展望』会見@日本記者クラブ@ぼちぼちいこか)。
※リンクの記事は福島第一原発型の原子力発電所の脆弱性や日本全体としての原発の立地の悪さを指摘していて興味深い内容になっていますので参考にどうぞ。

なので、自分や子供が少しでも余計な健康リスクにさらされ たくないのであれば、放射能について情報を積極的に仕入れ、ガイガーカウンターを買って食べるものや身の回りを計測し、国が何を言おうと自分基準で引っ越ししたり食べ物を選んだりしていくしかないと思っています。
逆に、別に少しくらい基準より放射線にさらされてもいいか、と思えるなら、それはそれでいいと思います。
たばこが体に悪いと知って吸い続けるように。
結局自分も家族も守れるのは自分達。健康被害が出て国や東京電力に文句を言っても、損なわれた健康は戻らないのですから。 まあ、癌や甲状腺の異常が原発の放射能が原因かどうかなんて、症状がでるころには立証できなくなっているので国も電力会社も心配してないでしょうが。

とはいえ国や電力会社は今回の事故を反省して、事故の状況や汚染状況について迅速に、積極的に国民に情報開示ができる体制を整えるべき。しかも、「万が一最悪の事態だったら」を前提に情報提供してほしい。誰がどう行動すべきか具体的に指示できれば 、地震の対処同様にパニックを起こさず行動できるはず。

原発は廃炉に
やっぱり地震大国日本では、こんな取り返しのつかない事態を招く原子力発電所は全て廃炉にしていきたい。原発が止まると電力料金が高くなり産業にダメージが、なんて「お金>健康」な価値観には反対です。というか、いつ大事故を起こすかわからない原発があるほうが日本経済にとってリスクが高い。
福島第一はたまたま「あの程度」の損傷で今のような状況になりましたが、津波が高かったら、震度が大きかったら、季節が違ったら、震災した地域が違ったら、もっと酷い被害だった可能性もあるわけです。周辺地域の人が「直ちに健康に害がでる」状況になるかもしれませんし、国土全体が汚染され、食物流通で国民全員がもっと酷い被曝をするかもしれません。そんな国に住みたくない。

積極的に原発反対運動に加わったことはありませんが、署名や情報提供などできる範囲でお手伝いできたらなあと思います。

1 件のコメント:

けんふじ さんのコメント...

原発から20kmくらいの南相馬市に行って来ましたが、住民は言われない風評被害に耐えながらも一生懸命生活していました。何かできないかと、現地では売れないお味噌販売を東京で売る支援を行なっています。 http://fkprj.blogspot.com/2011/12/npo.html

できることからコツコツと。