日本にいた時はあまり意識していなかったのですが、日本の加工食品の成分表示よりアメリカの成分表示のほうが親切かも!と気づきました。
アメリカの加工食品・サプリにはNutrition Facts/Supplement Factsという成分表示が義務付けられていて、パッケージの裏に同じ書式で表示されています。
アメリカのFDAのページからサンプルの表示を拝借してきたのが下図。
見て分かるとおり、まずは1回の摂取量がどれだけを想定してのカロリーや栄養を表示するのかが明記されています(①)。1パッケージ当たりではなく、食べる量(serving size)で書かれているのが親切。
②では総カロリーと、脂肪分のカロリーが分けて記載されています。
③は注意すべき脂肪分、コレステロール、塩分が記載され、脂肪は飽和脂肪酸(特にデブの素)と不飽和脂肪酸を明記。非常に親切。
日本のバターのパッケージには「コレステロール1/2」とか書いてあって体によさそうですが、裏面には100g中のコレステロール値しか表示されておらず、食べたときに結局どれだけ脂肪分・コレステロールを摂取しているのか、それが多すぎるのかが分かりづらい。実は不親切な表示。
アメリカのNutrition Factsで成分の右の欄にある% Daily Value(⑥)というのは、2000kcal/日の食事をベースとしたときの推奨される栄養素の量に対する割合(⑤に書いてある)。例えば、Total Fat(脂肪分総計)が30%だったら、1日にとってよい脂肪の3割をその食品で摂取してしまうということ。
ベースとしている2000kcal/日という数値は日本人にはちょっと多いし、推奨される栄養素の量も絶対的に適切かといったらそうではないかもしれないけど、参考としては分かりやすい。
ちなみに日本人の成人男性の基礎代謝量は1500kcal、成人女性は1200kcalと言われています。
④ではビタミンの表示。ビタミンも取りすぎると良くないものもある(病気や妊婦の場合特に)ので、何を食べるか判断するのに役立ちます。
更にアメリカの食品にはトランス脂肪酸(LDLコレステロールを増やす素といわれる)の表示が義務付けられているので、表示を見て徹底的に摂取を避けることが可能。トランス脂肪酸の悪評には消費者も敏感なので、入っている食品は避けられてしまう。なので、製造元もトランス脂肪酸を入れない食品に改良している様子。
さすが肥満大国、問題解消のために成分表示を徹底したのだと感心します。
ところがトランス脂肪酸の宝庫と思われるファストフードなど外食産業では栄養素の表示が義務化されていないので、外食すると消費者が意識しないうちに脂肪・塩分・砂糖を過剰摂取してしまう・・・。結局未だにアメリカは肥満大国のままです。
そこで、ファストフード店で出される商品のNutrition Factsが気になる人にはこんなサイトも。
サイト内でファストフード店や外食チェーンのメニューについて成分表示をしています。
例えばマクドナルドのチーズバーガーは以下の通り(サイト)。
総カロリー300kcal、脂肪によるカロリーはそのうち108kcal。飽和脂肪酸(saturated fat)の% Daily Valueが30%。総合評価がC-。
D評価になっているものの例はChicken McNuggets、Double Quarter Pounder with Cheese。
マクドナルドの商品でA評価なのはサラダとApple Dippers(リンゴにキャラメルソースをつけて食べる商品)だけでした。
日本は肥満がアメリカに比べれば少ないとはいえ、何気なく毎日口にする加工食品だから、どんなものでできているのかちゃんと知りたい。
日本の食品表示は、まだまだ改善の余地がありそうです。