2011年6月16日木曜日

タンポポの襲撃

私が住んでいるインディアナ州周辺ではほとんどの家と道の間に芝生の庭がついています。インディアナに限らず、おそらく大都市以外の家はもれなく芝生で囲まれていると思われます。日本の住宅地はアスファルトとコンクリートの壁のグレーで暑苦しいイメージがあるのですが、アメリカは芝生のおかげで美しいく自然と共存しているような景観が味わえます。その割に(むしろそのせいで?)アメリカ人の環境意識はあまり高くないように見えますが。
春になると、それまで雪で覆われていた茶色い芝が1週間もたたずに緑に変わり、そこにタンポポがちらほら咲き始めます。

初めてそれを見たときは、「タンポポなんて春らしくていいな」とか思っていたのですが、アメリカではタンポポは嫌悪の対象ではあれど愛好の対象などではないらしい。タンポポが芽を出したらすぐに殺すくらいの気合が感じられます。タンポポの花はなにくわぬ顔で幸せそうに咲いたあと、スグに綿毛に変化して、考えたくない数の子孫達が風に吹かれて自分の庭だけでなくお隣さんの庭に襲撃をかけてしまいます。本当に近所迷惑。また、タンポポに”寄生”された植物は養分を奪われるためか、育ちが悪くなります。タンポポだけが伸び伸び成長してしまうのです。なので、庭があったらちゃんと手入れしてタンポポも退治せねばならぬ、というわけです。

ちなみに2011/6/4の東洋経済のコラム「わかりあえない時代の「対話力」入門」にも、フィンランドに筆者の北川氏が住んでいたときタンポポを放置して冷たい目で見られたと書いてあったので、タンポポ嫌い、というか芝生のメンテナンス美意識は欧米共通の認識なのかも。日本には芝生の広い庭があまりないから、意識したことなかったですね。

芝生大国アメリカだけあって、雑草を殺すための農薬は大きなスーパーに大きなサイズで売られています。Weed and Feedと呼ばれる、雑草を根絶やしにしつつ芝生に栄養をあげるというかなり植物差別色の強い製品があります。たとえばOrtho Weed B Gon Max。225種類もの雑草を殺しつつ、芝生にダメージを与えないとあります。すごい。
また週に1回は乗用式の芝刈り機(例:Bob-Cat)にまたがり、おじ様や少年達がTシャツかタンクトップ姿で芝刈りをしつつタンポポの花を根絶やしにしています。どうやら男性に任されている仕事のようで、女性が芝刈している姿はたまにしか見かけません。
芝の伸びすぎもマナー違反。このマナーを破ると、「あのうちは家の手入れもしない野蛮な人ね」的扱いを受けることまちがいなし。気をつけましょう。

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