2011年6月7日火曜日

アメリカでの体外授精(IVF)プロセス (3)

妊娠・不妊治療に関連する英単語」も参考にどうぞ。

<9.卵の取り出しと精液採取>

卵胞のサイズが20mmに近づいてくるといよいよ採卵。
採卵前最後の超音波検査では、右の卵巣に11個、左の卵巣に9個の卵胞ができていて、卵胞サイズは15-20mmのものが多かったようです。卵巣パンパンですね!多少張ってる感じがありました。


手術の日程が決まると、36時間前にhCGを注射するように指示されます。
hCGの注射の場所は腰骨の斜め下、オシリの外側です。
手が届きにくいのでダンナ様に手伝ってもらいます。針が他の注射より長かった(3~4センチくらいある)のでちょっと勇気が要りますが、痛みはそれほどでもないです。筋肉注射なので血管に針が入っていないか調べるため、針を刺したあと少しピストンを引いて血液が入らないか確認してから注射するように、と念を押されます。

手術当日は精液採取があるのと、私が全身麻酔になるので夫と2人でクリニックへ。
特に服装の指示はなかったのですが、腹部を圧迫しないようにワンピースで行きました。
手術着に着替えて、髪にはキャップを被ります。点滴につながれ、それを持って徒歩で手術室へ。手術台に寝て医師と雑談していたら、次のシーンは服を着替えた個室で看護婦が話しかけている場面でした。全身麻酔で意識が飛んだみたいですが、ほんとにプッツリ記憶がなくなるんですね!記憶が戻ったときにはよくあるドラマのシーンみたいに、遠くで声がして目が覚めるって感じでした。

手術の所要時間は20-30分くらい。夫はこの間に個室で精液採取を完了。
手術後に医師が個室に訪れ、卵は13個取れたよ、いい感じだね!と励ましてくれました。
卵胞がいっぱいできていても、未成熟なものは使えないので超音波検査で確認した数より減るのですね。

20分くらい横になってから普通に起き上がれそうだったので、もう帰りマースと言って車椅子で車まで運んでもらって病院を出ました。手術後24時間は運転禁止なので帰りの運転は夫にお願い。麻酔がすこし残っていて眠い状態です。

<10.卵の取り出し後>
手術後は下腹部に痛みがあって腹筋に力を入れられない状態で、家に帰ってからも安静に寝ているように言われます。言われなくても動けないけど・・・。鎮痛剤を飲んでも完全には痛みがとれないし。
翌日は多少痛みが引きますが、3日間は歩くと痛いのでずーっとぼんやりソファで読書したりテレビを見たり。鎮痛剤のせいで胃も張ってめちゃ痛い。こんなことなら飲まずに痛みを我慢すればよかった。大正漢方胃腸薬のお世話になりましたが、かなりげんなりします。正直この期間は結構辛かった・・・。痛いの9割、暇なの1割で。仕事しながらIVFする方がいたら、数日間お休みすることをお勧めします。
今回のIVFが失敗したらまたこれやるのかと思うと、勇気の注入が必要です。

取り出した卵子は精液と混ぜるか、ICSI(顕微授精法)の場合直接精子を卵子に入れて受精させ、数日間受精卵を培養します。この際、すべての受精卵が正常に成長するわけではなく、数個しか成長しないこともあるようです。
手術の翌日病院から電話があり、13個の卵のうち10個が受精したよ、と教えてくれました。

手術後の処方薬は以下の通り。
・VicodeinまたはHydrocodone 鎮痛剤。
・Progesterone in Oil 1ml  黄体ホルモンの注射。手術2日後から卵移植まで1日1回オシリに注射。
・Estrace 2mg エストロゲン。手術2日後から妊娠検査まで1日2回飲む。
・Prometrium 200mg 黄体ホルモンのカプセル。手術翌日から1日3回膣に入れる。
・Valium 10mg 鎮静剤?卵の移植手術の30分前に飲む。

<11.受精卵を子宮に戻す>

手術の翌日に電話で3日目の受精卵移植手術の時間を指示されます。

移植した卵
以前は3日目くらいの受精卵を子宮に戻していたようなのですが、最近は医学の進歩により5日目の胚盤胞(blastocyst)と呼ばれる状態で子宮に戻すようになったそうで、この状態は自然の妊娠でも子宮に到達する時期とほぼ同じなので妊娠の確率が高いとのこと。一応3日目の手術がスケジューリングされるのですが、当日の卵の様子で、生存率が高ければ5日目に手術を移す可能性があるから当日電話すると言われました。

結局3日目の早朝、5日目の移植にするといわれ、5日目に病院へ。
手術直前に鎮静剤を飲んで、ボーっと酔っ払ったような状態で移植をしました。
なぜか看護婦さんの言うままに夫も立会いへ。一応共同作業的な意識付けをするため???
皆で超音波モニターで子宮を見て、卵を確認していました。今回は子宮に卵を埋め込むだけなので10分くらいで終わり。痛みもありません。

この段階でも受精卵が着床する確率が100%ではないので、女性の年齢・状態により受精卵を2-3個戻しすことがあります。私は30代前半なので多くても2つまで。(参考:なぜ複数の受精卵を戻すの?)

鎮静剤のせいでこの日も自分で運転して帰れないので、夫についてきてもらいました。
パートナーは仕事を何度か半日程度休まないといけないので予定調整に注意ですね。
帰宅してからは48時間あまり動かないように("Couch Potatoになっていなさい")といわれました。友人が食事を作って持ってきてくれたので助かりました!ありがとうー。

この後、使わなかった受精卵の経過を観察して、冷凍できそうなら冷凍されます。冷凍できた場合は今回のIVFが失敗した場合、卵の埋め込みから開始することができますが、冷凍までこぎつける確率&解凍に耐えられる確率も高くはないようです。

<12.着床して成長することを祈る>
ここからは自然任せなので、とりあえず祈ります。約2週間後に妊娠検査。

<リスク>
体外授精を行うにあたり、病院側と合意書を交わしました。
内容は、処置の内容とそれに伴うリスクについて記述されたもの(A4サイズで22ページ分)を読み、了承することと、離婚や死亡の際の受精卵の処理の仕方(自分用に使う、研究用に寄付、他のカップルに寄付、破棄)の選択などでした。

体外授精(IVF)によるbirth defectの確率ですが、通常2.3%のところ、IVFの子供の場合2.6-3.9%で、特に男児に障害が多く発生するという研究があるそうです。ですが、これらの比較はIVFを選択しなければならなかったカップルと自然妊娠できたカップルという特性の異なる親を比較対象にしているので、IVFが理由なのか、親の健康状態が理由なのかが明確に区別できないと説明されていました。
また、2つ以上受精卵を子宮に戻すことにより双子、三つ子を妊娠する可能性があり、この場合は子供が早く生まれてきて体重が少ない状態になることが多いと言われています。

他にも確率は数パーセントでも体・子供への負担やリスクがまったくないわけではないので、医師に聞いたり情報を集めたりして決断しないといけないですね。


これで、体外受精のプロセスは一通り完了!


アメリカでの体外受精(IVF)プロセス 2回目」はこちら

※私は医者ではありませんので情報の正確さについて責任を負いかねますが、体験談として参考にしてください。

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