2011年4月27日水曜日

ブッシュJrより強烈?ドナルド・トランプの暴走

2012年の大統領選に向けて、誰が共和党の候補者になるのかという話題がニュースを賑わせています。最近はこの話題か4/29に行われるイギリスのウィリアム王子とケイト・ミドルトンの結婚かといった様子。

共和党の候補者として名乗りを挙げそうだ、という人の中にドナルド・トランプ氏がおり、ニュースを賑わせています。

トランプ氏はニューヨークを拠点として活動する不動産王(超お金持ち)で、メディア関係者に知り合いがいるためか昔からよく映画に本人としてプチ出演したりしています。2004年からThe Apprentice というリアリティ番組のホストとして注目を集めてきました。この番組、十数名の若いビジネスマンが競い合い、最終的にトランプ氏の持つ会社を経営する権利と初年度$250,000の報酬を与える、という思い切った番組で、なんと11シーズンも続いています。シーズン7からはThe Celebrity Apprenticeと改称し、セレブリティを参加者として勝者は好きな団体に巨額の寄付をすることができる、という内容に変更されました。

トランプ氏の紹介はこんなものとして、なぜこの人がニュースを賑わせているかというと、彼が「オバマ大統領はアメリカ生まれじゃないかも」と言い出したから。しかも何度も。
知名度の高いトランプ氏の発言なだけにニュースも「何言ってるのこの人」という調子ながら、ジョークのように扱っていましたが、なんと彼が言い続けていたことで共和党支持者層の45%が「オバマはほかの国で生まれた」と考えるようになってしまいました。大丈夫かこの国。

根拠のない主張が広まり、騒動が大きくなってきたところで、今日ホワイトハウスはオバマ大統領の出生証明書をインターネットに掲示。

その直後、トランプ氏が記者会見を行いました。彼が言った内容をまとめると、

「ホワイトハウスがついにオバマ大統領の出生証明書を公開した。これでようやく石油価格や経済など他のもっと大切な事案について議論できる。今まで誰が言っても大統領は出生証明を公開しなかったが、私が言ったおかげでやっと出てきた。とても誇りに思う。メディアが私にこの質問をしつこくしてくることもないだろう。」

他の問題をそっちのけで出生が怪しいとばかり言っていたのはアナタでは・・・さすが成功するビジネスマンは図太い。そしてまた別の主張を展開。

「オバマ氏は学生時代優秀じゃなかったという話を聞いている。コロンビア大学では優秀じゃなかったと。もし”彼は優秀だった”と言われているとしたら、ハーバード大学でののことじゃないかと。でもコロンビア大学で優秀じゃない人がハーバードにいけるかね。成績証明を見せてもらいたいもんだ。」

ちなみに大統領選に出馬するかどうかについては、

「5/22のThe Celebrity Apprenticeの最終話まで出馬表明は控える。でもオバマには勝てると思うよ。」

トランプ氏の会見後、オバマ大統領も記者会見。

「財政赤字を抱える中、どうやって教育により投資していくべきかなど重要な問題を話し合っているのに、話題は私の出生証明のことばかり。通常このようなことを話すために記者会見など開かない。重要な財政課題などの議論に集中するため出生証明を公開した。国民とメディアの皆さんにお願いしたい。私たちには解決すべきもっと大きな問題がある。こんな馬鹿げたことに割く時間はない。」

大統領、トランプ氏の前にこの会見を報道していたらもっとトランプ氏に差をつけられたのにね。おしい。メディアの活用に強いトランプ氏、本当に立候補したら意外と強敵かも。


<追記>
5月17日、ドナルドトランプ氏は結局大統領選には出ないで番組と本業に専念すると発表。
共和党の強力な?候補が減ったとメディアが報じました。


参考: NY Times: Evidence Aside, State Lawmakers Debate ‘Birther’ Bills (4/21/2011)

抜粋>A New York Times/CBS News Poll released Thursday found that 57 percent of adults surveyed nationwide said they thought Mr. Obama was born in the United States, versus 25 percent who said he was born elsewhere.
(NYTとCBSが木曜に行った世論調査によると、成人の57%はオバマ氏がアメリカで生まれたと考えているが、25%は他の国で生まれたと考えていることがわかった。)

But digging deeper into the numbers shows striking disparities along party lines and regions of the country.
(しかしその数字を詳しく見てみると、指示政党と地域によって驚くべき違いがあることが判明。)

Among Republicans, for instance, 33 percent said they thought Mr. Obama was born in America, while 45 percent said his birth occurred in another country.
(たとえば共和党支持者の中では、33%がオバマ氏がアメリカ生まれ、45%が他国生まれと考えている。)

The nationwide telephone poll, conducted April 15-20 with 1,224 adults and a margin of sampling error of plus or minus three percentage points, said that majorities in all regions of the nation think the president was born in the United States, but that those majorities were smaller in the South and Midwest than in the Northeast and Far West.
(電話調査は4月15-20日に1,224人の成人を対象に行われ、調査対象選出エラーは3%前後。全国的にオバマ氏がアメリカ生まれと考える人が過半数だが、その過半数の割合は南部・中西部のほうが北東部・東部と比較して少ない。)

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